ホメオパシーの原則
病気の症状と同様の症状を健康な人に引き起こすものが、その病気を治癒する

「似たものが似たものを癒す」ー これは、ホメオパシーの原則です。

このことは、昔から人々が経験則によって行ってきたことでもあります。
例えば、風邪をひいて喉が痛むときに生姜湯を飲むというのは、おばあちゃんの知恵袋的に昔から行われていました。普段は生姜湯を飲むとヒリヒリとしますが、喉の痛いときには、その痛みを緩和してくれます。毒草として知られるトリカブトの毒は、初期は舌のしびれや嘔吐がおこり,弛緩して全身が麻痺して冷たくなり、ついには心停止によって死に至りますが、中国では古くから附子(ブシ)と呼ばれ医薬として使用されました。衰えた新陳代謝を改善し、疼痛、冷え、麻痺、弛緩などの諸症状の改善効果があり、現在でも漢方薬として使用されています。そういった例は枚挙にいとまがありません。

200年以上前にホメオパシーを発見したサミュエル ハーネマンは、当時の医療が患者さんにとって苦しいものであったことに心を痛めていました。当時の医療は、病気は悪い血のためであると考えられ、瀉血といって血を抜くことが頻繁に行われていました。体調の優れない患者さんから血を多量に抜き取れば、衰弱して、時には死に至ることもしばしばでした。医師であったハーネマンは、そのような行為が患者さんを傷つけ苦しめ、健康にすることと程遠いことに、悲しみと怒りを感じていました。そして、とうとう医師であることをやめて、医学書の翻訳で生計を立てることになりました。

ハーネマンがある医学書を翻訳していた時、キナの樹皮がマラリアに効果があることが書かれていました、医師であるハーネマンは、もちろんそのことを知っていましたが、なぜ効くのか疑問に思っていました。その医学書には、キナの樹皮の苦味に効果があるのだと書かれていました。「本当にそうなのだろうか? 苦味が理由ならば、他の苦いものでも効くはずであるが、キナである必要はどういったことなのか?」と疑問に思ったハーネマンは、試しにキナの樹皮の粉末を飲んでみました。ハーネマンはマラリアに感染していませんでしたが、キナの樹皮の粉末を飲むと、なぜかマラリアとそっくりの症状が現れたのです。しばらくするとその症状は消えましたが、また飲むと同じ症状が起こりました。ハーネマンは、同様のことを妻や友人に試してみましたが、やはり、それらの人にもマラリアのような症状が現れたのです。そこで彼は「キナの樹皮を、健康な人が飲むとマラリアのような症状が起き、マラリアに感染した人が飲むと治る。つまり、健康な人に特有の症状を起こさせるものが、同様の症状を持っている人の病気を治癒するのではないか?」と考えたのです。そこで、彼は、昔から病に効くと言われるあらゆる植物や鉱物などで同様の実験をしてみました。すると、キナの樹皮で起こったことと同じことが、それらの自然の物質でも起こったのです。そうやって「Like Cures Like 似たものが似たものを癒す」という法則を発見し、確立していきました。

ホメオパシーで使われるレメディは、自然界の素材を原料として作られ、その数は6,000以上、よく使われるものでも数百種類あります。あたたの身体的・精神的な症状を含めた全体像と、一番よく似たレメディが、あなたの問題を解決してくれます。